「ドーピング」とは,競技力を高めるために薬物を使用したり,それらの使用を隠したりする行為です。このドーピングは規則により禁じられていて,全てのスポーツ選手はこの規則を守る必要があります。ドーピングが禁止されるのは,「フェアプレイの精神に反する」,「健康を害する」,「反社会的行為」,そして「スポーツの価値を損ねる」,これら4つの理由によります。
大会に出場する選手の皆さんは,「自分には関係のないこと」と思っておられるかもしれません。しかし,病気やケガの治療のために薬を使用している場合でも,その薬が規則上,禁止薬物に該当する場合はドーピングとして扱われます。従って,大会出場前には以下の点に注意してください。
1.現在,治療中の傷病があり薬を使用している場合
使用している薬がドーピングに該当するかどうか,確認する必要があります。主治医に申し出て確認を行ってください。主治医がドーピングについて詳しくない場合,以下の専門家に問い合わせてください。
a. JTUアンチドーピングホットライン
(/news/2013/130321-1.html)
b.薬剤師会ドーピング防止ホットライン
(http://www.playtruejapan.org/medicine/hotline/)
2.現在使用中の薬が禁止薬物の場合
この場合,可能な限り禁止物質を含まれていない治療薬に変更してもらいましょう。どうしても変更できない場合は,TUE(治療目的使用に係る除外措置)申請を日本アンチドーピング機構(以下JADA)に提出しなければなりません。
ただし申請を行っても使用が認められないこともありますので,注意が必要です。TUEについてはJADAのホームページに詳しく述べられています(http://www.realchampion.jp/process/tue)。
また申請書式は(http://www.realchampion.jp/download/6)にあります。
この申請について分からないことがある場合は,JTUアンチドーピングホットラインに問い合わせてください。
3.これから薬を使用する場合
薬は安易に使用しないようにしましょう。病院受診時には必ず自分が選手で有ることを知らせ,禁止物質が入っていない薬の処方を依頼してください。薬局で薬を購入するときも同様で,必ず薬剤師に禁止物質が含まれていないか確認してください。必要があれば薬剤師から上記の専門窓口に確認を行ってもらうか,事前にスポーツファーマシストがいる薬局を検索
(http://www3.playtruejapan.org/sports-pharmacist/search.php)し,スポーツファーマシストに相談してください。スポーツファーマシストとはドーピングについて詳しい薬剤師です。問い合わせに際しては正確な医薬品名を伝える必要があるので,FAXかメールで行うことをお勧めします。
4.ネット購入
インターネットでは安易に薬やサプリメントを購入できますが,全ての製品がアンチドーピングを考えて作られているわけではありません。海外製のサプリメントには成分表示されていなくても違反物質が入っていることが報告されています。ネット購入には十分注意してください。
5.サプリメント
サプリメントは法的には「食品」です。医薬品ではありません。従って,全ての原材料の表示義務がないため,専門家でも使用の可否について100%正確な判断が出来ません。選手は出来るだけ使用を控えた方がよいですが,どうしても使用したい場合はJADAが審査を行い,禁止物質が含まれていないことを認定した商品があります。
(http://www.playtruejapan.org/qualified/)使用を希望する選手は,この中で紹介されている製品を使用してください。
6.漢方薬
漢方薬はいくつかの生薬成分を混ぜて作られているため,主成分は分かっても含まれている全物質が明らかな訳ではありません。従ってTUE申請しても全ての成分が分からない以上,許可されることはありません。マオウなど明らかな禁止物質を含んでいるものもありますので,一般的な医薬品以上の注意が必要であり,選手は使用を控えてください。
以上の点に気をつけてください。
7.問い合わせ先
上記ドーピングに関するお問い合わせは、「横浜大会パラ選手ドーピングに関して」の件名で、以下の4者へ同報送信してください。
1)矢島 実(JTU 情報戦略・医科学委員):aqayaji@yahoo.co.jp
2)村上晃史(JTU情報戦略・医科学委員長):kooji@tf7.so-net.ne.jp
3)山根英紀(強化チームマネージャー):yanmar@plum.ocn.ne.jp
4)JTU事務局:jtuoffice@jtu.or.jp
JTUパラ対策プロジェクト
JTUメディカル・アンチドーピング推進委員会