公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)の依頼(平成25年1月15日付)
指導者として相応しい行動の指導徹底について
拝啓 時下益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。平素より本会の実施する諸事業につきまして、ご支援、ご協力賜り厚くお礼申し上げます。
さて、プロ・問わず国内外において活躍するスポーツ選手への声援や期待の大きさは、ロンドンオリンピック後のパレードからも明らかであり、スポーツに対する国民の関心は高いことから、選手・指導者をも含め我々関係者はスポーツの意義を再認識し、―人でも多くの人々にスポーツの素晴らしさを伝え、スポーツの文化的価値観を高めていかなければなりません。
この様な中、大阪市の公立高校の運動部指導者による体罰が明らかになり、それを苦に将来を担う若い力が自らの命を絶ってしまったことは、非常に残念なことです。
平成23年7月15日に行われた日本体育協会・日本オリンピック委員会創立100周年記念事業シンポジウムで採択された「スポーツ宜言目本〜21世紀におけるスポーツの使命〜(※1)」にあるように、スポーツは、運動の喜びを分かち合い、感動を共有し、人々の絆を培い、共に生きる喜びを広げ、生活を豊かで味わい深いものにするものです。
※1)http://www.joc.or.jp/about/sengen/
http://www.joc.or.jp/photonews/files/sengen.pdf
このスポーツに携わる者は、身体的諸能力を洗練することで自らの尊厳を相手の尊重に委ねる相互尊敬であるスポーツの価値を自覚するとともに、この崇高な価値と大いなる可能性を有するスポーツの継承者であることを誇りとし、その伝道者たる行動に努めなければなりません。
その為にも、学校教育の一つでもある運動部活動における体罰は云うに及ばず、本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えるパワー・ハラスメント、セクシャル・ハラスメントやいじめと云った他者に対する発言、行動等は、断じて許されるものではありません。
スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは国民の権利であることがスポーツ基本法(※2)にも明記されております。私ども日本スポーツ界の関係者は、スポーツがニ度と人を傷つけるものとならないよう、推進していかなければなりません。
※2)http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/kihonhou/index.htm
つきましては、貴団体におかれましても、指導者に対し、競技、日常生活の場等にかかわらず、スポーツに携わるものとして責任ある行動と自覚を持つよう、指導方徹底されるようお願いいたします。
敬具