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社団法人日本トライアスロン連合 JTU 2012JTUニュースリリース 発行元:公益社団法人日本トライアスロン連合 JTU
配信日:2012年6月9日(土)
   

トライアスロン新世紀
−Triathlon New Wave− NO.7

代表決定5名、それぞれのミッション

 

 6月1日(金)、第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)の日本代表は、女子は上田藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター)、足立真梨子(トーシンパートナーズ・チームケンズ)、井出樹里(トーシンパートナーズ・チームケンズ)の三名。男子は、細田雄一(グリーンタワー・フェリック・稲毛インター)と田山寛豪(NTT東日本・NTT西日本/流通経済大学職員)の二名に決定した。

 

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強運で勝ち取った田山

5名のなかで、一番快哉を叫びたいのは田山だろう。代表内定を実力で獲得できる最後の指定大会であるWTSマドリード大会で7位を獲得したからだ。それにも増して、誇りたい理由がもう一つ。ロンドン・オリンピックでナショナルチームが掲げる目標が、女子3位以内、男子は8位以内。仮想オリンピックとして即代表内定の規定とされた今年のシドニー、サンディエゴ、マドリードの各大会でその規定をクリアしたのは、田山一人だったからだ。
 考えてみれば、代表争いを繰り広げた選手のなかでは田山と庭田清美(アシックス・ザバス)がオリンピックの経験は深い。まだ30歳の田山は、自分がオリンピック代表を逃すことは信じがたい屈辱のはずだ。そうした状況のなか、最後の最後で代表を決めて見せた田山の心の強さに加え、強運をもっている、と言わざるを得ない。この夏のロンドンでも、田山のパフォーマンスは期待できる。
 北京オリンピック以後の4年間、田山とともにトライアスロンを引っ張ってきた山本良介(トヨタ車体)が稼ぎ出したオリンピックポイントがあってこそ、日本男子は2枠を取れた。そこに滑り込んだ田山は、意気に感じて山本の分まで頑張ることが最大のミッションだ。

 

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細田の得意なレース展開とは

 4月のアジア選手権に優勝した細田は、1秒差でトライアスロンの第一人者である田山をこのレースで下しての代表内定に自信を深めたはずだ。中学卒業のときから単身オーストラリア・ゴールドコーストに渡り、トライアスロン修行を続けてきた細田は、帰国後ジュニアの選手としてすぐに頭角を現した。しかし、20歳を過ぎたころから相次ぐ故障に悩まされ、十分な走りができないまま年を重ねてきた。
 細田は、2010年の石垣島大会で2位に入り復活。その年のアジア大会も制して、一躍トップアスリートの座を勝ち取った。「やっと故障が完全に治って、100%で走れるようになった」と言うように、2年前からの勢いを得て男子トップでオリンピック内定を決めた細田は、ランに自信を深めている。バイクからのトランジションで常にいい位置でランに出るレース展開からも分かる通りだ。田山と切磋琢磨して、8位以内入賞を実現させるのも現時点では夢ではない。

 

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オリンピックへの想いを晴らす足立と井出

 足立は、2010年のアジア大会で優勝し、力を見せつけた。そして今年のアジア選手権に優勝し、次週のシドニー大会で9位、5月のサンディエゴ大会29位、マドリード大会20位という結果を残してきた。女子はアジア選手権優勝が内定の条件ではなかったが、オリンピックポイント獲得に大きく寄与し、同ポイントチャートで日本選手トップとなり、2012年前半のレースでのアベレージが評価され、代表が決定した。
 同志社大学時代、水泳でオリンピックを目指していた足立は、当時の同僚が名乗りを上げるなか、実力を発揮できなかった。その思いを転向したトライアスロンにぶつけてきたが、その思いをロンドンでやっと晴らすことができるわけだ。

 

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 北京オリンピック5位の井出は、2009年から故障に泣いてきた。得意のランで思うように走れずに、結果を残せないままの数年間だった。昨年の日本選手権で優勝したが、今年はアジア選手権5位、シドニー22位、サンディエゴ13位、マドリード16位という成績。代表を競っていた庭田や崎本智子(枚方スイミングスクール)が井出を超える成績を残せなかったこともあるが、代表となった井出のランには切れが戻ってきている。前回の北京オリンピックでは銅メダルまで27秒と、僅差でメダルを逃しただけに、今回のロンドンでも誰よりもメダルを見据えながら戦える位置にいる。

 

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上田のランの追い上げの確率

 昨年のプレオリンピックであるロンドン大会で3位から30秒以内の11位に入り、オリンピック代表内定を早々に決めたのは上田。オリンピックでは、スイム、バイクとも展開が遅くなり、スイムが苦手でバイク、ランに強い上田がランスタートを上位で切れる可能性が大きい。アテネ・オリンピックでケイト・アレン(オーストリア)が追い上げて優勝したように、上田にも可能性が大だ。
 しかし、今年に入ってアジア選手権で3位となったものの、シドニー大会54位、サンディエゴ大会DNFと、スイムで遅れてバイクで独り旅となり、結果に繋がらないレースとなっているが、北京オリンピックのリベンジに燃える上田には、ぜひ自分のレーススタイルを貫いてほしい。

 

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 飯島健二郎ナショナルチーム監督が、「ベストのメンバーが選ばれた。オリンピックは何が起こるか分からない。どんな状況でも、目標が達成できる選手選考となった」とコメントしているように、代表に決定した選手たちはブレることなく目標の達成に向かって頑張ってほしい。

 

 代表選手は今後、チームごとの強化合宿、海外遠征を経て、ロンドン・オリンピックの舞台に挑む。

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