9月19日(月・祝)、神奈川県横浜市の山下公園トライアスロン特設会場で2011ITUトライアスロン世界選手権シリーズ(WCS)横浜大会エリートのレースが行われた。
8時5分スタートのエリート女子は、ルーシー・ホールとヘレン・ジェンキンスのイギリス勢が序盤から強さを見せ、19分24秒でホールが、3秒後にジェンキンスがスイムを終えた。その後ろをアイリーン・モリソン(アイルランド)が13秒差で追い、さらに22秒後にエマ・モファット(オーストラリア)、土橋茜子(トーシンパートナーズ・チームケンズ)らがトランジションに向かった。
バイクに移ると、2周回目で前述の選手を含む20名近くが第1集団を形成。さらに菊池日出子(宇都宮村上塾)、上田藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター)、田中敬子(チームゴーヤー)らを擁する23名の第2集団が40秒ほどの差で後を追った。その後、7周回目で第1集団と第2集団が合流。最終的に49名の第1集団でランに移った。
ランでは、アンドレア・ヒューイット(ニュージーランド)が、ほぼ同時にトランジションを飛び出したモファットやニコラ・スピリグ(スイス)をリードし、徐々に差を付けた。そのまま勢いに乗ったヒューイットが、1時間59分16秒のタイムでトップフィニッシュ。先週のWCSGF北京大会に続き、2週連続での優勝を果たした。2位はモファット、3位はケイト・マクローイ(ニュージーランド)。日本人選手では上田が8位に入賞。以下、9位庭田清美(アシックス・ザバス)、10位井出樹里(トーシンパートナーズ・チームケンズ)、29位土橋、35位佐藤優香(トーシンパートナーズ・チームケンズ)、39位田中、40位崎本智子(愛媛県協会)、45位菊池。
エリート男子は11時6分にスタート。スイムをトップでフィニッシュしたのは、ドミトリー・ポリャンスキー(ロシア)で18分34秒のタイム。同じくロシアのイバン・ワシリエフ、アレクサンドル・ブルカンコフが続き、田山寛豪(NTT東日本・NTT西日本/流通経済大学職員)が6位でスイムフィニッシュした。
バイクでは、女子同様大きな第1集団を形成。数人が先頭交代を繰り返しながらレースを展開した。このなかには田山のほか、細田雄一(グリーンタワー・稲毛インター)、山本良介(トヨタ車体)、下村幸平(G.A.M・JSS深井)ら日本人選手も含まれていた。
集団の前の位置でトランジションに入った細田がランコースに先頭で飛び出し、観客を沸かせた。大勢を観客の声援を受けながら走るも、後ろを追っていたジョアオ・シルバ(ポルトガル)が細田を抜き、そのまま勢いに乗った。最後まで勢いが衰えることはなく、1時間49分20秒で優勝。2位にブルカンコフ、3位にポリャンスキーのロシア勢が入った。細田は最終的に10位でフィニッシュ。世界選手権シリーズ、世界選手権大会併せて、日本人選手男子の最高位となった。以下、12位杉本宏樹(稲毛インター)、25位下村、35位山本、45位高濱邦晃(チームフォーカス・門司地産・KMS)、48位佐藤治伸(日本食研)、52位田山、53位平野司(稲毛インター)。
なお、本日のレースの模様は、フォトギャラリーでご覧になれます。
<選手コメント>
○アンドレア・ヒューイット(ニュージーランド)
北京からの連戦で、とてもハードな2週間となった。横浜の滞在は快適なので、助かった。バイクのコースがタフだったので、だんだんペースが遅くなってしまって、うしろに追いつかれないようにするのがやっとだった。2年前もここで勝っているし、横浜はとても相性のいい場所。放射能問題も、ITUからの安全という発表で気にならなかった。
○上田 藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター)
日本の蒸し暑いレースで、勝てるチャンスがあると思っていたので、入賞にとどまったのは残念だった。レースプランどおり、スイスのニコラ・スピリグ選手と前を追うことができたのが良かった。ランの走り出しが重かったので、イーブンペースで走ろうと思って、落ち着いて走れた。スイムはトップと1分40秒差だったので、もっと縮めていきたい。
○ジョアオ・シルバ(ポルトガル)
北京にも出て連続のレースで、横浜は確かに暑かったが、非常に整備されたコースでよかった。このコースは美しく、観客もホットで楽しかった。北京と合わせて極東の2レースで結果を出せてうれしい。ランで、細田選手にリードされたが、トライアスロンはいつでも前に出たり、後ろになったりするわけだから、心配はなかった。
○細田 雄一(グリーンタワー・稲毛インター)
5月から延期されたこのレースを行っていただいたことに選手みんな感謝しながら戦った。8位に入れずに、フィニッシュのあとまず悔しいという気持ちになった。ランで最初はトップに立ったが、前に誰もいないということはとても気持ちのいいこと。声援に背中を押されて走った。走力が上がったことに自信をもって走ったので、これからも積極的なレースをして、みんなを驚かせていきたい。
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