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社団法人日本トライアスロン連合 JTU 2011JTUニュースリリース 発行元:社団法人日本トライアスロン連合 JTU
配信日:2011年9月6日(火)
   
第1種審判作文(三重県・山崎)

第1種公認審判員資格の作文(再提出)を回覧いたします。次回のJTU理事会(9/17横浜)で承認予定であり、全国からのご意見がございましたらお待ち申し上げます。

2011年度 第1種公認審判員資格<新規申請作文>
三重県トライアスロン協会 第2種審判員 山崎和宣

審判技術向上への提案

 大会現場では、事前打ち合わせや運営マニュアルには無い事が突発的に起こる事が多く、現場審判員の迅速な対応が求められる。レースの進行を可能な限り妨げる事無く、安全を確保しながらの対応には審判員としての多くの経験が必要である。私は、審判員として参加した大会の事例を元に、現場判断の重要性と判断力の育成について提案したい。

 事例@ 審判員資格を取得して初期の事例
大会当日は朝から雨で気温も低く、コースには水溜りが数多く出来ていた。担当は本部より最も遠いバイクの折り返し付近だった。時間がたつにつれ雨は激しさを増し、気温もますます下がっていく中、周回を重ねる選手の中からリタイアする選手が出た。寒さによるものと思われ、コーチから救急車両の要請があった。

救急車両の要請については、事前に決められた手順を正確に行うことが最も重要で選手の状況、位置などを本部に伝えることがその後の迅速な対応につながる。この場合も事前打ち合わせを十分にしていた為に、要請までの手順はスムースに行えた。現場審判員の判断としては、選手の状況を確認すると共にバイクを速やかに移動させコース上の安全を確保、後続選手への影響を出さずにレースを継続することが出来る様に行動した。

事例A 初めてのコースでの事例
バイクコースに一部普段使用していない道路が入っており、路面の日陰で湿った部分には苔が発生してすべりやすい状態だった。前日のコース設営で現場状況を確認し、可能な限り除去作業を行いレースの行える状態には復旧できた。
大会当日の担当は、前日苔の除去を行った付近。ここは山を登り狭い住宅街を一気に下り抜けて行く厳しいコースとなっている。配置後コース状況の確認を行ったところ若干苔は残っていたが、女子の試走でも特に問題なく選手は通過して行った。

女子のレースがスタートする頃には、天候は小雨となり路面は濡れて滑りやすい状態に変わっていた。2週回目に2名が絡んで転倒、1名は再スタートしたがもう1名がガードレールの切れ目からコースアウトしてしまった。コース上はクリアーになっていたので後続には問題は無くレースは続行された。

すぐさまコースアウトした選手の状態を確認、意識はあったが本部に救急車両の要請を行った。これは事前に決められた手順がありそれを正確に行うことが、現場審判員に求められる。ここで現場審判員として行ったことは、当該選手の状況確認、本部への手順に従った連絡、さらにホイッスルと手を振っての後続への減速指示を行った。
選手は救急車両にて搬送され、次の男子のレース開始までに現場審判員として対応したことは、コーンを配置しさらに手旗による減速指示を継続して行い、注意を促した。結果、男子では転倒は無くバイクは終了した。

以上の事例@、Aから突発的な事が起きたときに現場審判員の対応が大変重要であることが分かる。事前に打ち合わせした運営マニュアルや緊急対応手順を正確に行う事は当然のことであり、それに加えて現場では流れているレースの中で安全を確保しながら、その現場で審判員が迅速に判断しなくてはいけない事が数多く起こりうる。

2例に対して、大会として救護体制によって発生からの手順によって行動できた事が大きな要因であると思う。手順に順次、対応する事によって処理できた。発生すべき要因として運営マニュアルでカバーされているので、それに基付いて処理すれば対応できると言う事になる。

2例を運営マニュアルと因果関係を考えて見る。バイクコースでの事例になっているが、コース状況を選手には伝える事はできないが、何が起こりうるかは予想できるのではないか。それに対して運営マニュアルで対応するのが基本である。具体的には、発生―無線連絡―コース確保―選手確認―手配―処理―報告―完了となる。
審判員は選手から信頼され、安全が確保されて大会が成立する事を基本に置くことが必要である。違反になっていた選手、確認の必要のある選手を呼んで、事実の確認と注意を行う。丁重な説明と今後の注意を促すことが肝心である。

審判員の原動に対してのクレームも少なくない中、選手、審判、観客から受け入れられ、審判員でなければならない。意義申し立てやクレームに対して短時間で説明解決できる様努めなければならないと思う。
すべての審判員がそれだけの判断力を最初から持っているわけではない。そこで、判断力を養成するために勉強会の開催を提案したい。全国各地域団体によっては、すでに実施されているところもあるかもしれないが、現在審判員試験の前に行われている講習会とは別に、各地域で大会終了後に事例をまとめて上級審判員が講師となって行う勉強会を提案したい。

この勉強会では、実際におきた事例を元にどのように現場審判員が対処したか、またそは正しい判断だったのかなど失敗例も貴重な教材となる。さらに、上級審判員が他地域での大会で経験した事なども積極的に教材として公開し活用すべきである。それを行う事によって、全国の大会での事例を各地域の審判員が共通に勉強することが出来る。三重県ではこの勉強会の開催に積極的に取り組みたい。
三重県単独で難しければ、東海ブロックでの実施も視野に入れて検討したい。
観点な行動計画をあげて見た。

1)ルールブックの確認
2)配置現場の下見
3)大会コースの流れ、シュミレーション
4)タイムスケジュールの確認
5)選手の受付、集合場所等の時間、場所確認
6)審判員の配置(位置)連絡方法(無線)確認
7)コースの整備(フェンス、コーンバー、ごみの片付け)
8)審判員の服装、所持品
9)審判員の移動行動形態(歩行、起立体勢)

三重県では大会が行われていないが、自分自身に自信はあるか。(それでいいかと思う気持ち)。行動は公平・公正・堅実であるか。大会スタッフ・選手に自信を持って説明できるか。この行動が社会的に通用するか。現場で何をしなければならないか。
どう処理しなければならないか。以上掲げた事を実施して行きたい。

もちろん、この勉強会を実施したからといってすぐに現場審判員の判断力を養成できるとは思わない。勉強したことが大会で実際に生かせるような環境作りも大切である。私は、自らが審判長として関わった大会において、常にすべての審判員が自信を持って断が出来るよう心掛けてきた。特に経験の浅い審判員に対しては、必ずレース前に声を掛け、自らの担当箇所で起こりうる様々な問題を事前に想定し、対処の仕方をシュミレーションしておくように促す。

さらに、迅速な対応が必要な事柄が突発的に起きた場合は、現場の判断を優先して本部への確認はその後でも構わないと話すことにしている。自信を持って判断できる大会での環境作りも審判員を育てていく上には大変重要なことである。

経験によって育てる、これはもちろん大事なことだが審判員の判断力の底上げのためには上級審判員が、自らの経験を事例として伝えていくこと、これも大変有意義で必要な事である。私は、審判員の技術向上の手段としてこの勉強会と、大会での環境作りに今後も取り組んでいきたい。この取り組みが、トライアスロンの発展につながって行くと信じて。

最後に私は長良川国際トライアスロン大会でここ数年審判長として、たずさわっている。歴史ある大会であり、継続させなければならないと思って毎回参加している。
大会スタッフ・ボランティアによってささえられている大会に審判長として感謝の気持ちでいっぱいである。毎回起こっている事であるが、ランコースから横に入ってフニッシュに入るが、そのまま周回コースを走って戻って来る選手がいる。上位に入賞する選手にも見られる。周回コースであり、先頭の選手がフニッシュするのは先導の審判員によって誘導されで確認できるが、それ以下の選手は誘導はしない。周回チェックは選手自信であり、自己管理で行っている。しかし選手からの問いに対しては公平に対応している。

矢印で表示はしてあるが、見落としっているか、と思われる。コース上の掲示を具体的にするか。コースをコーンで区切るか。色々と考えられるが、周回コースでもあり、できるだけコースを広く取るべきであり、レイアウトも同じであると思う。審判長として、スイムの最終者の終了、バイクの最終者の終了の確認は当然であるが、終了時間前にはランコースに何名いるかを確認する。最終者のフィニッシュまで確認する。
これは大会として当然のことであり、大会運営が機能し、対応できる要因を持っているのは言うまでもない。

以上を第1種審判員資格申請論文といたします。


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