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社団法人日本トライアスロン連合 JTU 2011JTUニュースリリース 発行元:社団法人日本トライアスロン連合 JTU
配信日:2011年02月15日(火)
   
第65国民体育大会「ゆめ半島千葉国体」
トライアスロン競技会報告書

報告者:煖エ 透(TD/第1種審判員/千葉県トライアスロン連合:CTU)、小田英男(CTO/第1種審判員/CTU)、伊藤一博(M-RR/第1種審判員/CTU)、石井なおみ(F-RR/第1種審判員/CTU)

審判体制:67名
開催地:千葉県銚子市 銚子マリーナトライアスロン特設会場
開催日:2010年10月3日(日)
天 候:曇り, 風速 6.2m/sec,風向 北北東、気温: 21.5℃、水温: 21℃

競技距離:総合距離 51.5Km
  スイム:1500m(750m ×2周回) 銚子マリーナ海水浴場
  バイク:40Km (10Km ×4周回) 銚子マリーナ周辺〜銚子ドーバーライン
  ラ ン:10Km (2.5Km×4周回) 千葉科学大学構内及び周辺

男子出場者47名 全員完走
女子出場者44名(和歌山・福井・岐阜3県エントリーなし) 
女子完走者43名 スイムにてDNF1名

【技術代表報告】
ゆめ半島千葉国体トライアスロン競技が正式に公開競技として決定してから会場地の選定そしてコースの設計を始めた。開催地については国体の開催時期(9月末〜10月初旬)運営の習熟度協力体制等考慮して既存の大会が開催されている銚子市を選定し競技会場も既存のコースをベースとし設計することとした。

既存の大会「JTUスーパースプリントシリーズ銚子マリーナ大会」はS:250m、B:4.25km、R:1.5kmの距離を3セット行い順位を決定するものでありコースもコンパクトであったため2009年の大会よりオリンピックディスタンスの距離に変更し国体を想定したコースの設計にとりかかった。

スイムコースは既存の大会と同じく屏風ヶ浦という天然の壁があり風の影響が少なく波の立たないマリーナ脇のビーチを使用することとした。
バイクコースは旧銚子有料道路で現在は銚子ドーバーラインを使用観客の目を意識し一周6.6kmの6周回とし折り返し地点をメイン会場に各周回戻ってくるものとした。
ランコースは千葉科学大学キャンパス内を使用し1周2.5kmの4周回でバイクコースと同じく観客を意識しフィニッシュ近辺まで引き込み折り返しを設けた。

さらに検討を加えバイクのトランジッションエリアにおいてはT−1、T−2の2か所を統合しT−2のみとし乗降車ライン寄りに男子〜女子、レースNO1〜の配置とした。
千葉科学大学構内のランコースはコースの幅は十分あるものの対面コースの部分をなるべく避けワンウエイとした。構内で完結させる考えもあったが5周回となり4周回以上は避けるため校外の歩道を使うことにより距離調整をした。

スイムスタートはビーチからのスタートとし横1直線で1グリッド70cm幅としランキング順にコールし好きな位置を選択させた。
競技説明会の際選手からバイク乗降車先の折り返しの位置は道路幅(約6m)がやや狭くUターンに危険が伴うとの意見があり要望があり回転半径のさらにとれるT−2手前まで移動することにした。

以上の設定にて2009年の大会を行いその結果を踏まえゆめ半島千葉国体トライアスロン競技のコースを決定した。

スタート:幅約35m横一直線のビーチスタートとする。
スイム:275m⇒200m⇒275m×2周回(時計周りとする。)
トランジッション:T−1(固定ラック)、T−2(フリーラック)を設置、T−1はバイクスタートに向かい左側を奇数、右側を偶数としスイムフィニッシュに向かいレースナンバー順に昇順に配置する。

バイク:道路幅での折り返しを極力少なくするためメイン会場周りの道路を使用し一方通行、周回とする。なるべく周回遅れを出さないために周回数を6周回から4周回に変更し1周10kmとする。

ラン:千葉科学大学マリーナキャンパス内及び周辺を使用し一周2.5km×4周回とする。

[基本理念]
* 各都道府県の国体予選会が開催される4月ごろまでに千葉国体競技ルールを作成し発表する。(競技用具についてもなるべく細かく規定する)
* 各都道府県を代表し戦う選手の為にも完走をさせる(主にはバイク周回遅れのカットオフなし)
* 競技役員等養成補助金を利用し審判員の養成、新規取得を促進し県内登録審判員で審判業務を賄う。

[新潟国体からの検討事項として]
* 男女それぞれの時間帯でレースを行う。
* 開会式は総合開会式として前日の選手説明会の時に行い大会当日は男女のレース前にそれぞれ簡単な開始式を行う。
* 男女選手・監督の宿泊場所は都道府県別に同一宿泊施設としさらにブロック単位になるべく同一宿泊施設にする。
* 説明会会場では各都道府県の選手・監督を同一の席とする。

[今後検討事項]
* ウエットスーツの着用基準(国体開催時期の気温と水温、選手のレベルを考慮した
基準の設定)
* ビーチスタートの場合スタートラインから水際までの距離(スタートポジションを
選択させる場合前日の公式練習時にはスタートラインを示す必要があり潮の干満を考
えると距離が長くなる)
* 競技用具のロゴ等の表記についての規定の再考、各競技団体、選手への教宣。
* バイク周回の場合、周回遅れへの対応取扱い。
* フリーラックの採用(慣れていない選手が多い)
* 競技制限時間を設ける場合の運用基準。
* 選手が競技続行可能か否か審判側の判断基準。

【CTO報告】
≪審判員を「県内資格者で賄う」≫
千葉国体を開催するに当たって、「審判員は県内資格者で賄う」というのが大方針でした。2年以上もまえから、国体に向けて審判員の質、量のレベルアップを進めてきました。
特に、トライアスロンは、コースが長いことから、審判員の数が必要になります。そのため、まず資格者の人数を増やすことを地道にやってきました。審判資格はまず第3種からですので、『審判講習会に受講してもらう』ということになります。

受講、資格取得していただくために、
・ 理事から直接、興味のありそうな会員に声をかける
・ 受講料の一部を千葉県トライアスロン連合(CTU)で負担する(国体予算)
・ 講習会を丁寧に実施する

審判員の人数は、千葉で国体が開催される2010年4月には、80名を超えるまでになりました。量の面、どうにか必要な人数は集めることができました。

質の面はというと。
数と同時に、既に有資格者であった方々に、それぞれレベルの上の資格を取得していただくようにお願いしました。第2種から第1種については、第2種有資格者の理事が、自発的、積極的にチャレンジし、取得したことで、拍車がかかりました。最終的に8名の1種資格者を有するようになりました。
同様に3種の方の中から2種を目指す方も増えて、全体として、個々のレベルを向上しようという機運を醸成することができました。

実際に大会を実施するには、現場経験が必須になります。幸いなことに、2009年時点で千葉県内には、「幕張大会」「手賀沼大会」「銚子大会」の3回のトライアスロン大会を実施していました。さらに、2010年、国体が開催される前に、「館山大会」も新設で実施されました。

これらの大会を、審判のレベルアップのために活用しました。
・ 極力県内の資格者だけで、実施する.
・ 国体本番でどのポジションについていただくかイメージしながら、それぞれの大会で経験していただく.
これが、国体のCTOと同時に、2010年は千葉県内全大会の審判配置を、私が行ってくるにあたって「念頭」においていたことです。

実際の配置については、ほぼ1ヶ月前に確定し、2週間前の現地での実地研修では、それぞれの役割を確認していただきました。この時点で、各審判員がどこで何をやるかが、ほぼ明確になりました。当然、疑問、問題が出てきましたが、各人の不安は解消できました。このプロセスが大会で大きな混乱なく運営できた最大の要因だと思います。(通常の大会だと、どうしても早くて大会前日になってしまっています)

実際の細かい審判業務は男女の審判長が積極的に進めてくださいました。ですので
大会前日の直前準備、当日は特に慌てることもなく、余裕をもって大会全体を見ることができました。

<総括>
国体は、通常の大会と違い、良い意味でも悪い意味でも、準備期間が長い、締め切りが早い。
そのため、準備は大変でしたし、結局直前に変更も発生するのですが、それでも、大会前日を迎えるときに余裕を感じることができました。

これは、自分だけではなく、理事長ほかCTU全体で前向きに取り組んだ結果だと思いました。千葉県の審判のレベルは一段と上がりました。それは、その後開催した木更津大会ではっきりわかりました。国体の経験を生かし、さらに高いレベルを目指し、より良い大会運営ができるようにしていきたいと思います。厳しく大変な期間でしたが、経験できたことをうれしく思っています。どうもありがとうございました。

【男子審判長報告】
〇ヘルメット検査 バイク車検 ウェア類チェック(2日14:00〜)
ウェア類チェック担当:石井女子審判長(犬吠埼京成ホテルロビー)

ヘルメット検査 バイク車検担当:伊藤男子審判長 (犬吠埼京成ホテル駐車場)ウェア類チェック、ヘルメット検査 バイク車検については、別紙「競技備品とレースウェア、ウェットスーツへのロゴ表記チェックシート」「ヘルメット検査 バイク車検シート」を作成し、2名1組の3チームで行う予定でしたが、バイク車検でのフレーム他のロゴ表記に対する対応、処置が、車検受付時に全ての選手において対処されていませんでした。

その為、全選手のバイクの確認、ロゴ表記、ルールの説明、該当箇所の処置(養生テープ、ガムテープで隠すなど、1台当たり2箇所から6箇所、選手、監督へ指示)など対応(一部、養生テープ、ガムテープの数的な問題、終了時間を考慮し審判員が協力して対応)などに追われたため、想定時間を遥かに越える事が予想されたので、急遽応援審判員を手配増員し総勢15名体制で車検を実施した。

担当審判員を中心に応援審判員も個別に対応するなどした為、多少の混乱はあったものの全選手の車検を無事終了し、16時開始の開会式に間には合いました。
今回の車検では混乱を避けるため時間指定で都道府県別に車検を行う予定でしたが、上記の理由から時間指定で都道府県別の受付、車検が難しいと判断し会場に来ていた選手へは準備出来次第受付車検を受けるよう促し、随時対応しなければ間に合わない状況でした。

車検合格者へは、チーバ君合格シールを張り当日バイクチェックイン時にシールを確認してバイクセットを行った。
今回の問題点としては、事前に配布、掲載していた特別ルール、ヘルメット、バイク、ウェアのロゴ表記について理解されていなかった。

特にバイク、ヘルメットについてはまったく理解対応されていませんでした。
この件については改めて各都道府県の連合、協会を通じ監督、選手へ大会のルールを把握し遵守するよう徹底した指導が必要だと痛感致しました。
全選手へのロゴ隠しの対応ということもあり、事前に準備していた養生テープ、ガムテープ等が足りなくなるほどの台数への対応となったため、急遽買出しに行き補充し間に合わせる等対応に終われました。

ヘルメット、バイクのロゴ表記については、自転車競技などを参考にJTU内で再度検討願いたい案件です。車検方法についても自転車競技などの対応方法も参考にしながら統一マニュアル他の構築が必要と感じました。

○国体自転車競技審判員からの意見
自転車競技における車検では、審判員は合格か不合格の判定しかしない。※あくまでも選手、監督の責任において整備したバイクを持ち込む
・不合格の場合は、もちろん大会に出場できない。
・トライアスロン競技の今回の車検方法は、緩い、甘いのではないか。
・公式競技へと考えると今後、更に厳しい基準、対応が求まれると考えられます。選手、監督、競技役員の意識を変えていかなければいつまでも変わらないので、トライアスロン界全体で取り組んでいかなければいけない問題だと思います。

○競技説明会(2日16:00〜犬吠埼京成ホテル「彩雲の間」)
技術代表 煖エ透より競技全般についての説明、男子審判長 伊藤一博より大会特別ルールと主要ポイントの説明を行った。

大会特別ルールと主要ポイントについては以下の通り
・レースナンバーシールは両腕(上腕)
・スイムでのスタートエリア外からのスタート禁止に準じスタート後も水際までは直進する
・スイムキャップ、ゴーグルの投げ捨て禁止
・トランジションエリアには選手以外は立ち入り禁止
・ヘルメットはストラップをはずしてセットする
・周回遅れになっても競技継続可、異なる周回数の選手の混走を認めない。
・公式行事(競技説明会、開会式、閉会式、公式スイムトレーニング、スタートセレモニー、スタート前のアップ時)に参加する際は各都道府県の公式選手団ユニフォームを着用する。なお公式ユニフォーム以外を着用する場合は競技ウエアー同様、所属する会社、クラブ学校名、スポンサー等表記のウエアーでの参加禁止。
・バイクでのローカルルールについて付け加えて説明をした。トップ選手にラップされたら『ドラフティングを解除してドラフティング禁止でレースを継続OK』

 但し、実際にはラップされたらでは無く、マーシャルが『ラップされると判断した場合』となります。走行中にラップされる場合は、対象者(ラップされそうな選手)に対し移動マーシャルがトップ選手より先行して、その旨指示します。
  スイムが遅い選手の場合は、バイクスタート時点で周回遅れの可能性も十分有ります。(バイクスタート時に最後尾配置の移動マーシャルが指示する。)に注意を促し、先頭を優先させることも合わせて説明をした。

〇スタートポジションドロー(新潟国体結果順にドロー)
模造紙にスタートグリッドを表記し、男女別に順次アナウンスし好きなポジションを選択して自分のカードを置いて、グリッド番号のカードを控えで受け取る方法で実施した。最後に模造紙を張り出し全体へ公表すると共に、当日の公式掲示版へ掲示した。

○スイム 1500m(750m×2周回) 銚子マリーナ海水浴場
前日の競技説明会終了後スタートポジションドローを実施していた事もあり、スタートセレモニーからスタートまでスムーズ行えました。また今回ベニヤ板の上に絨毯を敷き、スターティンググリットを準備していたこともあり、スタートラインに並んだ選手の光景は圧巻でした。スタートラインから泳ぎだしまでの走る距離はあったものの、迫力のある綺麗なスタートとなりました。

審判体制は選手の後方に6名の審判員を配置し指定グリッドの確認とフォールススタート判定を行った、その後方に審判長と来賓スターターがポジションをとり全体のコントロールをした。
スタートセレモニーは、MCがレースナンバー順に全員の選手をコールしスタートラインにつかせた。
選手全員に落ち着きがあり、フォールススタートの該当者はなかった。
水温21度、波も穏やかで非常に泳ぎやすい条件であった。
観客については、周回が1度陸に上がりブイをターンをするレイアウトであった為、近くで声援を送って頂けるよう配慮し応援を楽しいで頂いた。

○トランジション
T−1
トラジッションはスイムからバイクコースへ移行する駐車場にトランジション偶数奇数2列で設置した。位置は、スイムから上がりバイクコースにスムーズに出られる直線的な導線を意識した配置に出来た事も有り、スピード有る攻防が展開された。
T−2
バイクコース上にフリーラックとシューズケースを用意した。
バイクフィニッシュからのランへのスピード、迫力ある展開が見られた。
フリーラックからバイクをコース外へ出す作業も審判員を中心にボランティアの協力も得てスムーズに行えた。
トランジションでの違反はありませんでした。

○バイク 40Km(10Km ×4周回)銚子マリーナ周辺〜銚子ドーバーライン
アップダウンのあるテクニカルなコース設定で銚子ドーバーラインを含む会場周辺を4周回するコースを設けた。
本部周辺を回る周回であったため観客は近くで選手を感じ、応援できるレイアウトで、スピード感有るレース展開、攻防が側で楽しめるコースであった。
一部懸念されていた周回遅れの選手への対応は、周回遅れになった選手が数名いたがバイクマーシャル3名で連携を取りながら周回遅れになる選手に対して早めに注意を促し、先頭を優先させることで問題はなかった。
大きな落車転倒事故はありませんでした。

○ラン 10Km(2.5Km×4周回) 千葉科学大学構内及び周辺
千葉科学大学構内を含む本部会場周辺を4周回(折り返しが2箇所)するほぼ平坦な
コースを設けた。
選手にとっては自分自身のポジション、順位が把でき、前を追う選手、逃げる選手も緊迫感有る展開が繰り広げられた。観客の声援も近くで感じられるコースであり選手達は応援が励みになり、全選手が最後まで力を出し切りフィニッシュするという緊張感の有る展開となった。

○総括
国体は通常のチーム、学校、個人で出場する大会とは違い、参加選手達は、都道府県の代表として都道府県のユニフォームに身を包み郷土の名誉と誇りを胸に臨んでいる大会であることを改めて痛感いたしました。国体という独特な雰囲気のなかで、緊張感の有るハードなレース展開になっていました、スターとからフィニッシュまで選手にとっては観客の声援を身近に感じ事ができるなど、気持ちが切れることがなくフィニッシュまで頑張れるコースレイアウトの大会だったと思います。

観客の視点では、選手達のスイム⇒トランジション⇒バイク⇒トランジション⇒ランでの駆け引き、選手間の距離、位置など、確認できるコースレイアウトで有り、フニッシュまでスピード感、緊張感の有るレース展開を観られるコース設定でした。
大会を盛り上げたもうひとつの要因としてMC2名の軽快な明るいやりとりが、スタートからフィニッショまで続き、レースの状況、各選手の状態、状況など手に取るように伝えてくれており、観客を、大会を大いに盛り上げて頂きました。

審判業務としては、約1年以上前から事前準備の打ち合わせ、コース設定、特別ルールの策定、審判員の勉強会など多くの時間を費やし実施に至った大会であり、思い入れも非常に高いものとなっていました。前日の車検から競技説明会、当日の競技中はもとより表彰式終了解散まで気の抜けない厳しいハードな業務でした。

審判業務においては各審判員へ早めに配置、役割を確定明確にしていたことと、審判員一人一人がいつも以上に担当業務を十分に把握し行えていたことに加え、ボランティアスタッフも多く担当業務に集中して行える環境であったので、当日の時間のない中でのコース作り、観客のコントロールも含め、安全でスムーズな審判業務遂行が実施できたのではないかと感じました。

今回の貴重な経験を活かし千葉県審判員全体の更なるレベルアップを目指し、連携を深めることと審判員個々についてもトライアスロン業務にとらわれず、人間力向上を日々意識して人としても審判員として成長しなければならないと感じました。

大きな事故やトラブルもなく、第65国民体育大会「ゆめ半島千葉国体」トライアスロン公開競技が無事終了致しました。CTUを中心とする経験豊か且つ前向きな審判員、競技役員や多くの地元ボランティアの方々に支えられ、さらにはJTUの関係者のご支援もあり、何とか審判長の大役を勤めさせていただき心から御礼を申し上げます。今後も微力ながらトライアスロン発展の為に協力させて頂きたいと思います。

【女子審判長報告】
○前日ウェアチェック状況
レースウェア、ウェットスーツ、ランニングキャップについてチェック。
チェック体制
・ 審判員2名でのダブルチェック(女子選手には女子審判員対応)
・ 選手立会いで実施
・ 改善が必要な場合は選手への改善指示と再チェック 審判長・技術代表報告

○状況
・ ロゴマークの個数が規定より多いもの
・ サイドのラインにメーカーロゴが使われているもの
上記の2項目が要改善のものとして男子17名、女子14名に対応指示が実施された。
主な対応策として、マーカーペンでの塗りつぶし、ガムテープ等の貼付によるものがあげられる。(ウェアメーカー、合否については別表を参照)

○課題
・ 国体用のウェアが競技団体から支給されていると思われる県においても、ロゴ規定に適合していないものが見られる。
・ 公開競技のため、個人でウェアを用意せざるを得ない県もあると思われ、国体のためだけのウェアを準備することが経済的にも困難な場合があると考えられる。
・ 最近のメーカーのウェアにはロゴを多用したデザインのものが多く、国体のためのウェアを依頼することが特注になることが(単なるプリントだけでない)考えられる。
・ 水温規定により、今回はウェットスーツ着用にはならなかったが、着用の場合ほとんどのスーツがロゴ規定に適合しない。正面のロゴ面積、上肢、下肢のロゴがはいっているなどが挙げられる。
開催県によっては水温の低い場合も考えられ、ウェットスーツ規定については再考が必要であろう。(例外規定を設けるなど)

○スイムドローについて
前回の新潟は、フローティングスタートであったが今回、スタンディングのため、ポジションドローを選手説明会で実施した。
男子は昨年の着順でポジション選択とした。女子は昨年不参加およびDNFの県には受付時に予備抽選を実施した。
スタート位置は選手自身が選択し、受付時に配布した氏名の札をドロー表に貼り付け、引き換えにポジションナンバーの札を持っていくこととした。
特に混乱はなく、予定どおり15分で終了した。翌日のスイムスタートも位置についての混乱はなくスムーズであった。

○競技について
・スイム競技
女子は12:00スタート。昨年の新潟の結果から懸念していたが、トップ選手が19分36秒でスイムアップしたのに対し、最終選手は39分47秒と20分余りの差を生じた。1名の選手は低体温症と思われる体調不良を起こし、リタイアとなった。水中にいる時間が長くなるほど、体温の損失は大きく(海水は空気の25倍の熱伝導率)スイムの実力によって低体温症の発症の可能性が高くなる。このことは、今後の選手選考基準にスイムの基準タイムを設けるか、すべての選手にウェットスーツ着用を義務づけるか、なんらかの対策が必要であることを示唆していると思われる。

・バイク競技
  スイムアップ時からすでに周回遅れの選手が発生している状況であったが、誘導コントロールにより、危険な交錯、周回ミス、ドラフティング違反などの報告はなく、スムーズに競技が実施された。

・ラン競技
ランにすでに入っている選手とバイク周回遅れの選手とのトランジションでの交錯について懸念したが、危険な状況は発生しなかった。ラントップフィニッシュと周回遅れの選手のコントロールについてフィニッシュ周辺審判員との調整により、若干のコース設定調整があったが、スムーズに進行した。

競技中に体調の変調で競技続行が危ぶまれる選手が1名発生し、監督が併走しているとの報告を受けた。現地で対応した審判員が併走(水のボトルをもって後走)を許可の判断をした状況であった。エイジレースではない以上、助力がないと続行できないならば、競技の中止をすることが妥当と思われた。

審判長判断の要請があり、ランコース上の選手を直接確認し、続行の意思があること、受け答えのできる意識のあること、走行の状態、コースとしてもすでに最終コースに入っていること、危険があれば止めることを選手に通告し、続行させることとした。3時間20分9秒でのフィニッシュをしたが、直後に倒れて救護に直行、救急搬送となった。

大会前に交通事故に遭遇して練習不足と体調が万全でなかったことを、関係者からの情報として事後に得たが、選手自身の生命にかかわる事項であり、監督、コーチとの検討ももって早めの判断が必要であったかと反省する。

○まとめ
女子選手の競技力は各県によって大きな差があり、国際的な大会のトップを狙う選手から、エイジグループの上位の選手、種目による差もあり、実力差がこれほどでるものか、ということを感じさせる。
国体競技をトライアスロンの競技レベルのなかでどこに位置づけるか、基準タイムの設定をするか(特にスイム)など今後の課題となるであろう。

参考資料
[ウェアロゴチェックシート](PDF)  [バイク・ヘルメットチェックシート](PDF)


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