10月17日(日)、東京都港区台場の特設会場で、2010NTTジャパンカップランキングイベント最終戦/第16回日本トライアスロン選手権東京港大会/2011アジア選手権(チャイニーズタイペイ)代表選考会が開催された。本大会は、日本選手権とNTTジャパンカップランキングイベント・シーズンチャンピオンの2大タイトルがかかっている。
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午前8時25分にスタートした女子は、スイムを得意とする土橋茜子(トーシンパートナーズ・チームケンズ)が19分18秒でスイムフィニッシュ。1秒後に川島えり(愛媛県協会)、さらに6秒後に足立真梨子(トーシンパートナーズ・チームケンズ)がトランジションへ入った。その後、高橋侑子(東京ヴェルディ)、上田藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター)、崎本智子(日本食研)も続々とあとを追った。
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バイクでは、序盤スイムから調子を上げていた足立、佐藤、川島に、上田、庭田清美(アシックス・ザバス)、井出樹里(トーシンパートナーズ・チームケンズ)、太田麻衣子(寒竹歯科医院・稲毛インター)らを加えた総勢14名で、2周回目に第1集団を形成。すぐ後ろを田中敬子(チームゴーヤー)が一人で追った。その後、井出が第1集団から脱落し、第2集団と合流。13名になった集団は、先頭交代を繰り返しながらペースを維持し、ランに移った。
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ランは、最初に飛び出した上田、足立、崎本、佐藤の4名で最後まで競るかと思われたが、1周回の最初から崎本が集団から抜けだす形に。上田が一人で崎本の後を追ったが最後まで背中をとらえることはできず、崎本が1時間56分のタイムでトップフィニッシュ。日本選手権初優勝を果たした。2位に1時間56分17秒で上田、3位に1時間56分27秒で足立が入った。
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午前11時スタートの男子は、スイムから田山寛豪(NTT東日本・NTT西日本/流通経済大学職員)、山本良介(トヨタ車体)が強さを見せる。平野司(ハンズ・スーア・稲毛インター)、杉本宏樹(ルミナリア)、遠藤樹(東京都連合)と5名でほぼ同時にスイムをトップで終える。一人で5名のあとを追っていた細田雄一(グリーンタワー・稲毛インター)は、第2集団に入った。
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バイクに移ると、田山、山本、遠藤、杉本、平野の5名が集団を形成。高濱邦晃(チームフォーカス・ボディチューン・KMS)、佐藤治伸(日本食研)、細田らを含む第2集団は、約1分10秒ほどであとを追った。その後、平野が第1集団から離れ第2集団に吸収されると、そのまま4名でトランジションへ向かい、第2集団に約30秒の差をつけてランへ。
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ランでは、杉本、遠藤が1周回目で遅れをとり、山本と田山の争いになった。杉本がその後ろを追い、さらにバイクで第2集団だった細田、佐藤が食らいつく形となる。その後も、ランには自信があると語っていた山本が勢いのある走りを見せ、1時間46分10秒でトップフィニッシュ。崎本と同じく初めて日本選手権での優勝を果たした。最後まで山本と争った田山が1時間46分32秒で2位に、杉本を抜き、佐藤との競り合いを制した細田が1時間47分11秒で3位に入った。
この結果を受け、崎本、山本が2010NTTジャパンカップランキングのシーズンチャンピオンとなり、男女とも日本選手権との2冠を達成。ジャパンカップ女子2位は佐藤、3位は土橋、男子2位は細田、3位は杉本となった。
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なお、このレースの模様はフォトギャラリーでご覧になれます。
<選手コメント>
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○崎本 智子(日本食研)
うれしさと、次へ向かう気持ちでいっぱい。井出選手が集団から離れたことは、ローテーションをするなかで気付いた。バイクは苦しんだので、出来は50パーセント。楽にランに移れるよう、練習を積まなければいけない。ランは必死だったが、自分の身体に祈って必死に逃げた。コーチが親身になって支えてくれたことが、優勝につながった。
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○上田 藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター)
崎本選手は爆発的なランをもっていることは知っていた。それを出されたことで負けた。以前からランが強い井出選手、足立選手に的を絞って勝負するつもりでいた。優勝を狙っていたから悔しいが、けがをしたあと、ここまではい上がれたことには満足している。今回の経験を次につなげるつもり。来年に期待してほしい。
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○山本 良介(トヨタ車体)
後続が追ってきていることは分かっていた。追いつかれたら精神的に弱い部分が出る気がしたから、力を出し切った。今年は陸上選手とランの練習をしたため、ランには絶対の自信があった。ジャパンカップとのダブルタイトルをとることで、「山本良介の1年」にしたかった。次にあるアジア選手権でもこの勢いのまま、男女で金・銀メダルを取りたい。
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○田山 寛豪(NTT東日本・NTT西日本/流通経済大学職員)
今シーズンは納得のいくレースができなかったから、相性のいいお台場で勝ちたかった。今日は応援が自分の後押しをしてくれたおかげで走り抜けた。改めて「トライアスロンは最高だ」と感じた。タイトルを取り返す気持ちをもてたから、2位という結果は財産。アジア選手権に向けて仕上げてきている山本選手の、役に立てていたらうれしい。
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