(財)日本水泳連盟のオープンウォータースイミング(OWS)委員会が「OWS安全対策ガイドライン」を作成、日本水泳連盟のURLに公開されました。
http://www.swim.or.jp/11_committee/18_ows/1003121.html
本ガイドライン策定にあたり、JTUの競技規則・運営規則・メディカルレポートなど各種データ・資料を参考にしていただきました。
本件ご担当の鷲見全弘OWS委員長は、「“ガイドラインを作ったら終わり”ではなく、これを如何に活用してもらうか、安全意識の啓発をどう図るか、が次の重要な使命と考えます。」とコメントしています。
次に本文の序章部分を貼り付けます。詳細はウェッブサイトをご参照ください。
オープンウォータースイミング(OWS)競技に関する安全対策ガイドライン財団法人日本水泳連盟【序】
1)背景
オープンウォータースイミング(OWS)競技会における事故が近年発生している問題について、その重大性に鑑み、(財)日本水泳連盟はわが国の水泳の統括組織としての立場と責任から、何らかの見解を明らかにすべきであるとの判断のもとに、平成21 年秋にスポーツ医・科学、法律、ライフセービング等に携わる専門家を含めた「OWS 安全対策特別委員会」を設置し、鋭意検討を進め、本ガイドラインを策定するに至った。
2)目的
OWS 競技会および競技者が年々増加している状況下で、その主たる競技者が中高年齢者を中心とした水泳愛好者であるという現実問題を認識したうえで、本ガイドラインの策定により、溺水などの重大事故の防止を図ると同時に、より安全なOWS 競技の普及・振興に結び付けようというものである。
3)留意点
本ガイドラインは、OWS 競技における重大事故の防止を図るために検討、策定された。しかしながら、わが国では、OWS はその競技の歴史が未だ浅く、現在国内で開催されている既存の競技会の実施状況にはばらつきがあることも事実である。したがって、本ガイドラインは「絶対的な安全基準」と言えるものではなく、本ガイドラインどおりの設定で実施した競技会であっても、競技者本人の体調や気象・海象などの諸条件が複合することによって重大事故が起こる可能性は否定できない。また本ガイドラインは、スタート・ゴールを同一地点とするコースレイアウトを前提としている。したがって、本ガイドラインに即さないコースレイアウト(例えば、スタート・ゴール地点が異なるレイアウト)の場合には、主催者、競技者ともに安全への更なる留意が必要である。
4)理解を深めるために
本ガイドラインに関する詳細な内容は、『オープンウォータースイミング教本』日本水泳連盟編,2006 年)、『水泳プールでの重大事故を防ぐ』(日本水泳連盟編・日本マスターズ水泳協会協力,2007年)、『サーフライフセービング教本』(日本ライフセービング協会編,2008 年)に掲載されている。こちらも合わせて熟読し、OWS 競技および安全対策について理解を更に深めて頂きたい。
5)謝意
本ガイドライン策定にあたり、内閣府特定非営利活動法人日本ライフセービング協会、社団法人日本トライアスロン連合をはじめ、関係諸団体より多大なるご支援・ご協力を賜った。ここに厚く御礼を申し上げるとともに、わが国におけるOWS 競技の普及・発展と安全性の向上に向けて、なお一層のご協力を賜りたい。