5月2日(土)、韓国釜山市の西約100kmにあるトンヨン(統営)市でITU世界選手権(WCS)シリーズ・トンヨン大会の女子のレースが行われた。
この大会は、今年からシリーズ化されたもの。9月9〜13日にかけてオーストラリア・ゴールドコーストで行われるITU世界選手権グランドファイナルまで7戦が予定されている。また、8月22、23日には横浜市でもこのWCSが開催される。
午後1時55分スタートのレースは、スイムでサラ・マクラーティ(アメリカ)が19分12秒のタイムでトップフィニッシュすると3秒遅れてエマ・モファット(オーストラリア)が、 そこから20秒遅れて足立真梨子(トーシンパートナーズ・チームケンズ)がフィニッシュ。19分代に18名が水から上がった。
前週のITUワールドカップ石垣島で優勝した注目の井出樹里(トーシンパートナーズ・チームケンズ)は、19分49秒と少し出遅れた感じ。井出の直前にはエマ・スノーシル(オーストラリア)が位置していた。
バイクに入ると、モファットが単独で逃げようとするものの、後ろの集団はスピードを上げ、10名前後で三つに分かれていた集団は、3周目には30名前後の大集団となった。この集団には、井出、足立のほか、庭田清美(アシックス・ザバス)、高木美里(レオパレス21)、崎本智子(日本食研)が入った。上田藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター)は、スイムの遅れが響いて、最終集団で戦うこととなった。
ランに入ると、満を持して飛び出したのはモファット。ほかを引き離すようにリードを広げるが、ラン1周目終わりにはスノーシルが追いつき、サイド・バイ・サイドの展開に。その直後10mでは、庭田、井出、ケイシー・トレンブレー(カナダ)、カーステン・スィートランド(カナダ)の4名が激しい3位争いを繰り広げていた。この4名から、最終周に入ると庭田が脱落。井出のがんばりに期待がかかった。
そして、ラスト1kmでスノーシルがモファットを引き離し、そのまま2時間2分42秒のタイムでフィニッシュ。2位はモファット。そして、デッドヒートを制して井出が3位となった。
そのほかの日本選手は、ランで健闘した庭田が6位、足立が11位、崎本が28位、高木が29位、上田が36位となった。
<選手コメント>
○エマ・スノーシル(オーストラリア)北京オリンピック以来、ゆっくり休んで、久しぶりのビックレースだった。うまくいくかどうか心配だったけれど、なんとかやり遂げた。タフなれーすだったけど、初のWCSチャンピオンになれたことはうれしい。次のレースはワシントンWCS。
○井出 樹里(トーシンパートナーズ・チームケンズ)スイムでバトルに巻き込まれたが、バイクとランは冷静に走れた。チャンピオンを狙って戦ってきたけれど、ここで3位となって、これからチャレンジャーとしてまたやっていける手応えをつかんだ。この冬は、当たり前の練習をこなしてきたが、私を支えてくれるすべての人たちから「愛」がもらえたことが、いまの私をつくっている。次のレースはマドリッド、そしてワシントンWCS。
なお、レースの模様はフォトギャラリーでご覧になれます。