<はじめに>
<はじめに>
「JTUテクニカルガイドライン:技術・審判員の業務と心得」は、大会での事例をもとに、アトランダムにまとめた“参考テキスト”です。
今後とも「技術・審判員の手引き」として参考になるよう、競技者、審判員、主催関係者そして専門家の意見、さらには社会事象なども取り入れ、追加修正を重ねて行くつもりです。
<技術・審判関係者へ>
《ルールをいかに解釈し運用するか》 審判員の裁量によって微妙な差が生まれがちです。そして、この差が時としてやっかいな問題を引き起こします。
複雑な状況のなかで起こるルールと競技者の係わりを適切に捉え、実際の運用でも「統一した判断」が行えるようにならなければいけません。
そのために、当内容はもとより既存のルールにも常日頃から反論を試みてください。基本ルールは、「反論は、つねに代案をともなう」とするものです。そして改善に結びつけたいと考えます。
さらに、代案を裏付けるために具体的な立証をしてほしいところです。万人を説得させる熱意を持ち続けたい。反対のための反対であってはいけないと思います。
一方で、トライアスリートがルールや審判裁定に対して感じる、「何となく、納得できないんだ」という気持ちは大切にします。「これはルールなんだ。決定事項である..」などという頭ごなしな対応は賢明とはいえません。権威主義は21世紀のスポーツに不適と考えます。
このようにスポーツを愛する選手の気持ちに、真摯な態度で対応できるよう研鑽する。これにより、トライアスロンの広い理解と普及そして質的向上につながるものと考えます。
<活用するために>
審判講習会や大会スタッフへの説明に活用できるよう、当内容に皆さんの見解を加え、さらに他の関連事例などを利用し、より魅力的にまた説得力をもって“自分の言葉”で語れるようになってください。
審判講習会などの資料として、受講者に配付することもお願いします。また、選手やコーチにとっても参考になることが多く、ご一読を勧めます。
内容については、第1章から第6章に分け、総論から各論に入っていく方法です。そのため重複する部分もありますが、必要な章だけを活用することができるように配慮したものです。
<最後に>
《ルールは不変ではない》時代は変わる、ルールもこれに対応するよう変遷してゆく。技術・審判業務のなかで、現実と理想の狭間に思い悩むかもしれません。実践のなかで起こる数々の矛盾に興味を持ち、人間と自然そしてスポーツが織りなすトライアスロンの技術論そしてこれを取り巻く社会論に身を染めてほしいところです。
当ガイドラインが、各大会での指針として役立つことを期待します。
1998年12月20日
JTU技術委員長 中山正夫
<備考>
文中、前後の文章の関係や語感から、「マーシャル:審判員」「競技者:選手:トライアスリート:参加者」などを不統一に使用しています。意味するところは同じです。
また、文章表現などが不適切な部分また誤字脱字などご指摘願えれば幸いです。全体の内容についてもご意見をお待ちしています。
なお、JTUルールブックでの統一表現は、「競技者:アスリート」ですがここでは、基本として“選手”としています。
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